あゆみ・受賞歴
発酵済み冷凍パンの開発
開発者
株式会社ブーランジュリー・ピノキオ 代表取締役
石倉秀雄社長
開発のきっかけ
(2010年3月 読売新聞より抜粋)
高校卒業後、両親が経営していた農薬販売業を手伝うようになった。まだ、食の安全に対する意識は低く、使う側は、農作物に薬品を無造作にまいていた。「体に影響はないだろうか…。」という疑問を感じていた25歳のころ、父親をガンで亡くした。
「安全な食品を作りたい。」そういう思いが強くなっていった。一から食品添加物を使用しない、天然酵母のパンを作ることを決心した。
最適な天然酵母を探して全国を歩き、あんも防腐剤などが入ったものを買うのではなく、小豆を炊くところから研究を重ねた。
天然酵母で焼いたパンは、少しずつ「おいしい」という評判が広まった。1985年頃から「家庭で焼き立てパンが楽しめないか。」
と考えるようになった。お湯を入れるだけで食べられる即席ラーメンのように、自宅で、簡単に焼き立てパンが作れればと発想
したのが、冷凍のパン生地だった。だが、実現には時間がかかった。生地を凍らせて焼いてみたが、膨らまず、口溶けが悪い。粉を変えたり、こね方を工夫してみたものの、良くならなかった。
展望が開けたのは最近だ。生地を作りかけたまま、お客さんの相手をし、息子さんに「冷凍庫に入れて」と頼んだ。後で出した瞬間、「何かが違う。」と感じた。失敗作を20年、見続けてわかる感覚だった。この感覚をヒントに、焼いたら大きく膨らむ冷凍パン生地を完成させることができた。
2005年に、「ピノパン」として商品化、最初は解凍してからオーブンで焼く方法だったが、2008年には、凍ったまま焼けるパンも開発した。
常識にとらわれなかったことが、成功につながったと思う。
夢のような話でも、あきらめずに挑戦し続ければ、成功につながることを、身をもって知った。ビジネスが拡大したとしても「みんなに安全でおいしいパンを、いつでも食べられるように届けたい。」という信念は変わらない。
最終的な目標は、食べたら健康になれるような、体に良いパンを作ることだ。父親を病気で亡くしたことから始めたパン作り。その原点は決して忘れない。
あゆみ・受賞歴
1985年 | 発酵済み冷凍パンの研究を始める |
---|---|
2005年2月 | 発酵済み冷凍パン完成 |
2005年6月 | 日本国内特許出願(特願 2005-184417) |
2006年3月 | 和歌山県経営革新企業に認定される |
2006年6月 | 国際特許出願 |
2006年8月 | 日本国内特許出願 (特願 2006-233295) |
2006年8月 | 和歌山1社1元気技術企業に認定される |
2007年3月 | 和歌山企業ソムリエ委員会 第4号認定企業となる |
2008年10月 | 解凍不要の「ふくらむ魔法の冷凍パン」完成 |
2009年4月 | 文部科学大臣表彰 創意工夫功労者賞を受賞する |
2009年7月 | 『ブーランジュリーピノキオ・フォルテワジマ店』開店する |
2009年12月 | 特許取得 |
2010年1月 | 日本国内特許登録 (特許 第4443475号) |
2010年7月 | 「ふくらむ魔法の冷凍パン」新工房 工事開始 |
2010年9月 | 新工房 [本町ファクトリー]完成 |
2010年11月 | 「ふくらむ魔法の冷凍パンシリーズ」の生産・発売開始 |
2011年11月 | NBK大賞2011和歌山ブロック賞を受賞 |
2012年1月 | 第45回(平成23年度)グッドカンパニー大賞 新技術事業化推進賞を受賞する |
和歌山1社1元気 技術企業登録証 |
和歌山企業ソムリエ委員会 認定証 |
文部科学大臣表彰 創意工夫功労者賞状 |
ブーランジュリー・ピノキオ フォルテ店 |
グッドカンパニー大賞 新技術事業化推進賞 表彰状 |
グッドカンパニー大賞 新技術事業化推進賞 トロフィー |